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人工林を自然林に 達古武地区(釧路町)
~釧路湿原の縮図 達古武から変わる!~
実施理由 ~なぜやるのか~
釧路湿原流域では1960年代以降に単一樹種によるカラマツの一斉造林化が進み、湿原や河川とつながる丘陵地(達古武地域)においても本来生育していた自然林と比べて生態系の質の低下が課題となっているからです。
実施目標 ~なにをめざしているのか~
達古武地域本来のミズナラやダケカンバなどの落葉広葉樹林へと復元することで、豊かな森林生態系を再生します。
対象区域 ~どこでやっているのか~
釧路湿原東部に位置する達古武沼の北側に近接するカラマツ人工林約99ヘクタールを含む約148ヘクタールを対象区域とします。

実施内容 ~どんなことをやっているのか~
1.自然再生
自然林への再生(森林再生)は、自然の力にゆだねる方法を優先し、地域内に残る広葉樹林の稚樹が自然散布によってカラマツ林内に定着・成長し、時間をかけて目標となる広葉樹林へと再生していくことを目指しています。
そのため、まず稚樹の定着を阻害するような地表面のササの除去など、現地での試験施工の結果を踏まえながら、取り組みを進めています。

地表処理(かき起こし)
自然散布の範囲内で、機械によりササの根反転を行い、種子の定着を促します。

かき起こし

かき起こし1年後
地表処理(ササ刈り)
自然散布の範囲内で、機械によりササの根反転を行い、種子の定着を促します。

ササ刈り

ササ刈りとかき起こし
植栽
自然散布の範囲外は、遺伝的かく乱を防ぐため、地域産の種子で育苗した苗木を植栽します。

オオモミジ植栽

ダケカンバ植栽
防鹿柵の設置
ササの高さを超えた稚樹の成長段階では、エゾシカの被食が起こりやすいため、防鹿柵により保護しています。

防鹿柵
間伐の検討
間伐による林内照度の改善がどの程度稚樹の成長に影響があるか、試験を進めています。

中間伐採(伐採率32%)

高間伐採(伐採率45%)
達古武での森林再生の推移イメージ



2.土砂流出防止
地域内の造林用作業道沿いからの湖沼・湿原への土砂流出を防止するため、丸太やムシロ、粗朶柵等による土砂流出対策を進めています。

土砂流出防止対策の概要

丸太柵工・植生マットによる防止策設置
3.環境学習
自然再生事業地を使った環境教育や自然再生に関心を持つ市民参加ネットワークづくりを目的に、調査体験型プログラム(指標動物の調査など)や作業体験型プログラム(地域産種子の採取など)の開発・実践を行っています。
自然再生を考える調査体験会「森づくりと生き物しらべ」2010の様子

種子散布調査

種子の採取

どんな昆虫がいるかの調査

苗を育てる